古川勇二氏国会で参考人として意見を述べる
2007年4月10日
技術経営系専門職大学院協議会
技術経営系専門職大学院協議会
古川勇二教授は、4月10日 衆議院 経済産業委員会で、技術経営系専門職大学院協議会会長、日本学術会議会員の立場で、科学技術とイノベーションならびに技術経営系専門職大学院(MOT)の意義と今後の課題について参考人としての意見を述べられました。
MOT協議会では昨年度第1回MOTシンポジウムを「動き出した技術経営系・MOT大学院」のタイトルで開催し、今年度は第2回シンポジウムを「MOT人材がもたらすイノベーション」のタイトルで開催いたします。
企業関係者やMOTに関心を持つ方にお集まりいただき、MOT教育に何を期待し、何が要望されているかについて意見を交換し、「日本型MOTのあるべき姿」を一緒に考えましょう。
国会で古川会長は以下のようにお話されました。
- 日本のイノベーションの現状について、IT(情報)、BT(バイオ)、NT(ナノ)といわれる先端技術に特化して産業化を図るという方向で動いてきたが、米国やヨーロッパに比較してバイオやITでは出遅れた。ここで必要な事は日本の強みを生かす「日本型イノベーション」である。
- 日本の強みは「ものづくり」と、自動車などに代表される改良型イノベーションで、これを組み合わせたところに日本の活路がある。イノベーションは、日本が得意な「ものづくり」に特化し、わが国の強みを徹底活用した政策への転換が必要がある。
- 「ものづくり」を支えているのは現場力である。現場力によって高品質、省エネルギーな製品ができている。
- マイクロ、システム、インテリジェントといわれるが、これを活かして、1円/gの製品から、10~100円/gの高付加価値の製品を作るのが日本のイノベーションの方向である。
- 今、地球環境問題が騒がれているが、開発と環境を両立できるような技術を世界に発信していく必要がある。
- これまでのように基礎科学→エンジニアリング→技術開発のリニアモデルの発想では限界がある。
- 従来、大学の研究はシーズ志向であったがニーズ中心のイノベーションに転換していく必要がある。
- 産業の生産性の伸びを見てみると製造業は4%強を確保しているが、サービス業は0.8%である。しかし産業におけるサービス業のウエイトは高い。サービス業のイノベーションが必要である。
- これらを俯瞰して考える時、技術経営戦略を立案実施する技術経営人材を育成し、技術経営人材によるイノベーションが求められている。