技術経営系専門職大学院協議会 会長挨拶

技術経営系専門職大学院協議会 会長 橋本 正洋
MOT協議会 会長 橋本 正洋
国立大学法人 東京工業大学 環境・社会理工学院
技術経営専門職学位課程・教授
イノベーションマネジメント研究科長

2021年度より、MOT協議会会長を拝命いたしました橋本です。MOT協議会会員の皆様,文部科学省・経済産業省・関係府省,産業界の皆様,さらに技術経営にご興味をお持ちの皆様,よろしくお願いいたします。

20年度は、コロナ禍への対応で社会の大きな変革が求められ、大学でも遠隔授業の導入や入試改革がいわば外圧で進みました。一方21世紀も第二四半期を間近にして、世界ではデジタル化の進展と環境課題の経済活動への取込みが本格化してきました。この中で日本の社会経済システムに内在する問題点-例えばDXの遅れなどが顕在化しつつありますが、一方で国民の規制によらない自主的な行動や衛生意識などの民意の高さも注目されました。また日本企業がもともと有していたといわれる「人間中心の経営」「長期的視点に立った経営」さらには野中郁次郎先生らのいう「美徳の経営」は、SDGsの理念と共通するものであったことは偶然ではありません。MOTは、総じて技術水準や社員意識の高いこうした日本企業の動向をもとに、その良さと課題、将来の方向性を論ずる学問であり、実践です。海図のない世界といわれる現代において、過去のケースのみに頼らず、現実の経済社会の動向をつぶさに観察し、そこから信じるに足る事実を抽出して処方箋を書くと、すなわちMOTが今ほど求められている時代はないでしょう。

私は奇遇にも1990年以降の失われた20年において、低迷する日本企業への処方箋はMOTしかないと信じ、経済産業省にてMOT人材1万人計画を推進した人間のひとりです。それから20年以上経過した今、当時教えを請うた先生方は各所でご活躍されています。MOTの必要性と価値が全く色あせていないことに誇りを感じつつ、技術経営のさらなる深化とイノベーション科学の確立を、MOT協議会の仲間と一緒に皆様にお約束したいと考えています。

皆さまの更なるご協力,ご支援を賜りますようお願い申し上げます。